top of page
  • 執筆者の写真神楽

とある夏の日

更新日:2023年7月25日

真夏の太陽がジリジリと降り注いで、全身が焼けるような熱さの中で、

時折り吹く海風が私の心と体を少しだけ癒してくれる・・・


「はぁ~!夏だねっ」


幼馴染の奈美は青い空に両手を突き上げて、その高い声をあたりいっぱいに響かせた。


その時、私の足元に砂浜で少し汚れたバレーボールがコロコロと・・・

翼の折れ掛かった可愛いくもくたびれ顔の天使が転がってきたようにも思えた。


「すみませ~ん」


声の方に目を向けると、程よく褐色に焼けたスマートな男性が、頭を掻きながら申し訳なさそうな顔で私のもとに駆け寄ってきた。


「私と同い年くらいかな・・・」


メリハリのある健康的な体と、たまにこぼれる白い歯に私はなぜか彼だけに目を奪われる。


夏・・・

白い砂浜・・・

青い海・・・


季節は違えど、よくいうゲレンデ効果みたいなものか。


「めっちゃイケメンじゃーん」


奈美は勢いよくボールを拾い上げ、なんの恥じらいもなく彼に向かって目を輝かせながら言った。

少しだけ嫉妬心が私の心の中にある感じがした。


「一緒にビーチバレーやりませんか?」


見惚れるような体には似合わず、ちょっとだけ幼い雰囲気の声がさらに私の心を揺さぶる。

私は奈美よりも先に親指と人差し指を合わせて、彼の顔をじっと見つめながら「はっ、はいっ」と、この緊張と胸のドキドキを隠そうとして指で合図もしたけど、つい上ずった声が出てしまった。


彼の名は、ヒロキ。

ちょうど彼の友達も一人で、私たちは四人で大声を上げながら楽しくビーチを駆け回った。


高校二年生のとき以来かな・・・

そう、元彼の智也と過ごした夏の日の想い出・・・


あれから6年、社会人になって1年目で緊張だらけの毎日。

そんな中で、久しぶりに奈美と夏の海へ。


こんな出逢いもありだよね・・・


一つの白いボールが運んできた物語


ーーーーーつづくーーーーー


次回予告


元彼の智也を忘れようと・・・未だに冴えない私の気持ち

そこで運命的に出逢ったヒロキ。


本当に運命なのか?

それとも、その日限りの幻の恋なのか?


そして奈美が落ちた罠に私も!?



閲覧数:771回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page